レポート

第8回滋賀県マザーレイクフォーラム「びわコミ会議」に参加しました

マザーレイクフォーラム びわコミ会議のお礼とご報告(田城)

  

①「午前の発表」

琵琶湖にかかわる自治体・団体の皆様が一堂に会するマザーレイクフォーラム びわコミ会議。
昨年に続いて今年も感動的な一日でした。

昨年の模様はこちらのブログをご覧ください。「マザーレイクフォーラム(3)各団体の活動報告〜釣り人による清掃活動」

まず、準備段階からお世話になった運営委員の皆様に、深く感謝申し上げます。

立場の違いを越えて、釣り人一同と交流してくださった皆様、お一人お一人との出逢いも、素晴らしい時間でした。ありがとうございました。

私たち淡海を守る釣り人の会は、清掃活動について発表した昨年に引き続き、今年も午前の部で発表の機会をいただきました。
テーマは「釣り人から見たびわ湖の変化」

正直今回は、清掃活動について発表するよりもはるかに難しいと感じました。

「自治体の方や漁師さんたちの前で、めったなことを言えない」

「広大で変化の激しい琵琶湖、人それぞれ見方が異なる琵琶湖について、5分間で何をどう、お伝えすればよいのか」

迷いながら5分間の発表にまとめました。

以下、全スライドをご紹介します。  発表者は、バス釣りプロガイドで琵琶湖遊漁船業協会 会長の大仲正樹さんです。

 

「びわ湖はとても広くて、常に変化しているので、ある場所ではなにかが増えて、別の場所では減っている、というように、全体的に判断するのが非常に難しい側面があります。そこは今後も情報を集めて、精度を上げていきたいと考えています。」とあらかじめお断りしました。









皆様がどのようにお感じになったのかはわかりませんが、「いい発表だった」「思いがこもっていた」というご感想もいただき、今回も、参加者の皆様のあたたかさに感動の連続でした。

大仲さんはいろんなプレッシャーがかかる中、原稿を時間内に読み終えるための練習を何度も重ねて、堂々たる発表でした。本当におつかれさまでした!

司会の川本勇さんと琵琶湖環境科学研究センターの佐藤さん、コメンテーターの滋賀県立大学井手先生、碧いびわ湖の村上さん、昨年と同様、あたたかく迎えていただきました。ありがとうございました。

井手先生からは、「昨年のフォーラムで釣り人の津熊さんと知り会って、バスプロの木村さんともお話しする機会があって、異様に水草のことなどに詳しいので、ぜひみんなの前で発表してほしいということになった」という経緯もご説明いただきました。

発表に当たって琵琶湖環境科学研究センターの佐藤さん、マザーレイクフォーラム 運営委員の中野さん、ウォーターステーション琵琶の武田さん、琵琶湖のプロガイドの皆さまに多大なご協力をいただきました。

<2018/7/13 びわコミ会議準備会合>

 

また、プロガイドのtruth平村尚也さんには本日朝からびわコミ会議にご参加いただきました。

皆様のおかげで、無事発表できました。ありがとうございました。

《ご協力いただいたプロガイドの皆様、五十音順、敬称略》
磯村雅俊
大仲正樹
大西健太
奥村哲史
木村建太
冨本タケル
永野総一朗
平村尚也
前田純

 


②午後の部


びわコミ会議 午後の部では、さまざまなテーマごとにテーブルに分かれて80分間ディスカッションをして、その後、話し合った内容を短くまとめた「キーセンテンス」をテーブルごとに発表します。

今年は「〇〇から見たびわ湖」。

その中に「釣り人から見たびわ湖」のテーブルも用意していただきました。ありがとうございます。

このテーブルには高校生、大学生の方も参加して、
「過去に戻すのか、今を維持するのか、未来に向けて新たなものを構築するのか」
というこれからのあり方を問い直すきっかけになったようです。

 

どこのテーブルに参加しても良いので、私が参加したのは、漁師さんを中心とした「漁師から見たびわ湖」です。

漁師さん、滋賀県職員の方や研究者の方など、そうそうたる顔ぶれです。そこに混ぎれこむ、釣り人の私。

近年不漁と報道されている鮎だけでなく、琵琶湖全体、あらゆる魚種の魚が年々減りつづけている琵琶湖の問題について、人の暮らし、水質、水草、化学物質、外来魚、森林や田畑、いろんな視点で意見が出ました。

原因ははっきり言って、「わからない」。
ただ、「人の生活が変わった影響」であることは確か。

人の暮らしが変わり、湖岸や水質が変わり、生態系が変わり、魚の生態、行動も変わってしまった。

びわコミ会議の冒頭で松沢運営委員長がおっしゃった、「魚の気持ちがわからなくなった」という言葉がそれを象徴しています。

昔は岸に寄ってきていた魚が寄り付かなくなった。
季節によって琵琶湖や河川全体を魚が移動し、それに合わせる形で成り立っていた漁が成立しなくなった。

そんな現状と危機感を漁師さんやほかの参加者の方から共有していただきました。
また、そんな現状をもっと知るために、漁師さんの感じている琵琶湖の状況、変化を発信してほしいという意見も出ました。

月に数回、大阪からびわ湖に出かけて釣りをしている私にとっては、ためになることばかりで、もっとこんな話をできる機会が、もっとたくさんの人が知る機会が増えたらいいのにと、痛切に感じました。

たとえば「数年前に水草だらけだったときは水質もよくて底まで見えそうなくらいクリアだったし、水草にはよい面もあると思うのですが、漁師さんにとって水草は悪いものですか?」
と質問させていただいたところ
・場所と種類によるし、0か10かの話ではないと思う。
・たとえば北湖から南湖にホンモロコが入ってきやすいように筋を作るために刈っている

など、ご説明いただきました。

話が尽きない中、あっという間に時間は過ぎて、司会進行を務められた運営委員の滋賀県立大学平山先生を中心に、次のようにキーセンテンスをまとめてくださいました。

1.魚のすむ場所を取り戻す
2.魚の気持ちをわかりたい
3.漁師さん・釣り人の肌感覚を発信

はっきりいって漁師さんにとっては邪魔な存在でしかない釣り人という単語をここに入れていただくのは大変恐縮で、ありがたかったです。

全体会議にもどってテーブルごとにキーセンテンスを発表したときは、私もコメントする機会をいただき、

びわ湖で釣りをしてたまにゴミを拾ってるだけの私が、念願だった「漁師さんや自治体の方とびわ湖の問題についてお話しする」機会が得られたこと、

釣り人という単語を入れていただいたこと、

いろんな思いがこみあげて、涙声になってしまったのですが、

「今日は本当に参加してよかったなと思って…。びわ湖に影響を与える要素はおそらく千個くらいはあって、対症療法ではなく、抜本的な改革をしないといけない(というお話を伺って)、そういう危機感を共有できたのが、本当に良かったと思います」

とコメントさせていただきました。

また、発信、情報共有という面では私たちも釣り人として、どうしたらよいか模索しているところです。
午前の発表でも「釣り人から見たびわ湖」の一端をお伝えしたように、リアルなびわ湖の状況を伝える努力をしていかなければならないし、まず自分たちからコミュニケーションをとる努力、伝える努力をしなければ、ものごとが自動的に改善していくわけがありません。

ネットでも批判的な意見はたまに目にするけれど、自分たちの声に耳を傾けてもらうためにはまず何をすべきか、そこの視点がすっぽり抜けていると感じています。

遠くから自分に石を投げつけてくる人に近づきたい、話を聞きたいと思う人が、いるでしょうか?

魚の気持ちだけでなく、私たち釣り人は、釣り人以外の「人の気持ち」も考えなくてはなりません。

会議の最後に、個人としてびわ湖のためにこれから先一年、なにをするか約束をする「私のコミットメント」を書く時間があります。

昨年は「びわ湖の魅力を発信する」と書きましたが、今年は迷わずこう書きました。

「さまざまな立場の方と交流する」

違う立場の方との出会いを通じて、これからの課題を実感できたびわコミ会議でした。

あらためまして、同じテーブルで議論してくださった皆様と、このような機会を提供してくださった滋賀県、びわコミ会議運営委員の皆様に、心より感謝申し上げます。

来年もまた、皆様とお目にかかれますように。